しかけ絵本や市販のカード、素敵なポップアップ(飛び出すしかけ)を見ていると「自分も作ってみたい!」と思うことがあるかもしれません。
型紙つきの教本も販売されていますし、型紙をダウンロードできるサイトもありますので、そういったものを使えば「上手な方の設計」がどんなものか体感することもできます。
だけど、「誰かがデザインしたものではなく、一から自分でオリジナルのものを作りたい!」と思う方。
とはいえ作ったこともなく、「複雑なものは無理!」という方。
そんな方に、ヒントになればと思って書いています。
今回は、「基本のVフォールド(ななめ折り)しか知らない」という場合でも作れるポップアップカードのアレンジを紹介していきます。
Vフォールドとは何ぞや?と思った方も、説明しますので大丈夫です。
- Vフォールドとは?
- 基本のVフォールドを使ったシンプルなカード
- アレンジテクニック①:面を延長して中央線をはみ出す
- アレンジテクニック②:片面だけにモチーフをつける
- アレンジテクニック③:切り取る
- おわりに
Vフォールドとは?
Vフォールド(V-fold)はこの形のポップアップです。
折り線が台紙見開きの中心線に対して”V”になっていますね。
V折り、ななめ折りなどとも呼ばれています。
簡単に作れて見栄えもする形で、多くのポップアップ絵本やカードで使われています。
ご覧になったことはきっとあるはず。作ったことがある方も多いのでは?
Vフォールドどうし組み合わせたり、他のしかけと組み合わせたりすることで複雑なポップアップを作ることもできます。
ポップアップ底辺の角度、台紙への取り付け角度を変えることで飛び出しの傾きが変わってきます。
でも、今回は単独のVフォールドで、角度も同じポップアップを使いつつ、ちょっとしたアレンジで表現の幅を広げる方法を見ていきたいと思います。
↓↓ 今回使ったポップアップのベースはどれもこの形です。
基本のVフォールドを使ったシンプルなカード
では、Vフォールドを使ってバースデーカードを作ってみましょう。
上のポップアップに絵を描いて形を整えると、例えばこんな感じのものができます。
私が小学生の頃初めて作ったポップアップカードがこんなデザインでした。
シンプルで誰でも簡単に作れます。
でもちょっと変化もつけたい。
次は少しアレンジを加えてみましょう。
アレンジテクニック①:面を延長して中央線をはみ出す
Vフォールドの左右の面を延長して、中央の折り線をはみ出す形に。
正面からの写真では少しわかりにくいですが、花束やプレゼントが中央の折り線をはみ出して、上から見るとXのような形になっています。
ちゃんとたたむことができます。
少しはみ出しただけですが、凝った印象になり、立体感や面白みが増したのではないでしょうか。
この「面を延長してはみ出す」テクニックはいろいろな場面で使え、アイディアも広がります。
アレンジテクニック②:片面だけにモチーフをつける
Vフォールドの左右の面、その片側だけにモチーフをつけてみました。
ここでは左側、ページをめくるときに動かす側につけています。
①の「はみ出す」テクニックも使用し、少し中央の折り線を越えるような形にしてなっています。
動きの様子はこんな感じになります。
土台は全く同じしかけなのに、印象がちがうのではないでしょうか?
開くときに注目してください。
横方向に弧を描く動きが強調されるように感じられます。
細長いモチーフだと特に効果的だと思います。
*過去の記事 ↓ にある流れ星も同様のしかけを使っています。
アレンジテクニック③:切り取る
Vフォールドはこのように大きく切り取ることもできます。
真ん中に穴を開け、花のトンネルのようにしてみました。
台紙に取り付ける部分・中央の折り線部分をある程度残せば、しかけはちゃんと機能します。
台紙見開きの中央が空くので、ここに別のしかけを取り付けることもできます。
動きはこんな感じ。
穴があることで、うさぎを収納するスペースができました。
(うさぎもVフォールドのアレンジですが、少しだけ複雑に作ってあります)
おわりに
基本的なVフォールドのポップアップですが、ちょっと手を加えることで印象が変わるのを感じられたでしょうか?
簡単なカードですので、ぜひ自分なりのアイディアを盛り込んで、オリジナルのポップアップを作ってみてくださいね。
*2022.3.25 追記 Vフォールドのアレンジについて続編記事を書きました。↓
*過去記事 ↓ 制作の参考になるおすすめ本の紹介です。よかったらご参照ください。
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ローカルなお知らせです。
新潟県三条市立図書館本館にて、手づくりしかけ絵本コンクール受賞作品展示を行うとの情報があります。
とき:2021/9/17(金)~29(水) ※9/20(月・祝)は休館日
それ以上の詳しい情報はみつからないですが、例年の様子からすると、おそらく昨年度の受賞作品が片隅に並べられるのかと思います。
先日の展示会を見逃した方、もう一度見たい方はぜひ。
私の作品が展示される可能性も高いです。
ただ、新型ウイルス感染症の状況次第で中止になることも十分考えられます。
お近くの方は、最新の情報をご確認の上、感染対策をしてお出かけください。
2021.9.18 追記
図書館に行ってみましたが、2階の展示ケースにさりげなく展示されていました。
残念ながら触れないので、めくってしかけを楽しむことはできませんが、第5回の受賞作のほか、第1回~4回の最優秀賞と一部の受賞作が展示されています。
最優秀賞作品以外は普段見ることができないので、私も数年ぶりに見た作品が多く、眺めるだけでもうれしいです。
私の作品は、『ぶんぶんしまこさんの きをつけなくちゃ』が展示されていました。
いつか手にとって実際に読める機会もあるといいな。