お弁当の仕切りを観察(互い違いの切り込みによるかみ合わせ)
先日おいしくいただいたお弁当。
そのお弁当の容器を片付けていたら、仕切りの構造が目に留まりました。
互い違いの切り込みをかみ合わせることで、紙を交差しつつ接続する。
木工などでも同じような組み方をしたりしますよね。単純だけど、知恵がつまった構造だなと思います。
この構造にはきっと呼び名があるのだとは思うのですが、うまく調べられていないので、この記事では仮に「切り込み交差」と呼ぶことにします。
さて、この構造はポップアップしかけにもときどき使われているのを見かけます。こうした「組んで作る」構造をうまく使いこなせるとかっこいいな、とちょっと憧れがありました。
私自身はしかけ絵本で1度使っただけで、まだ慣れていません。今回、この「切り込み交差」を使ったポップアップカードづくりにチャレンジしてみます。
「切り込み交差」を使った平行折りと斜め折り(Vフォールド)のしかけ
「お弁当の仕切り」と同様に、2枚のパーツを用意しました。
これを組んで「平行折り」のしかけを作ります。
※「平行折り」は台紙の中心線に対してポップアップの取り付け部分が平行になっているしかけです。基本の形は ↓ のような感じです
「切り込み交差」を使った平行折りのしかけ、このように組み立てました。
基本の形と見比べると、ベースは同じなのがわかると思います。左右の面両方をを延長して、切り込みのところで交差させた状態になります。
「斜め折り(Vフォールド)」のしかけでも、同様のことができます。
※「斜め折り(Vフォールド)」は台紙の中心線に対してポップアップの取り付け部分が斜めになっているしかけです。基本の形は ↓ のような感じです
斜め折り(Vフォールド)については、過去の記事で「面を延長して中央線をはみ出す」アレンジについて書いたことがあります。
このときは左右の面がそれぞれ片方ずつはみ出している(花束とプレゼント)例を載せましたが、「切り込み交差」を使えば左右両面同時にはみ出すことができます。
平行折りしかけ・斜め折りしかけ、どちらの例もベースは単純なしかけ1つ(2面)なのに、交差することで見た目上は4面になっていて、お得感がありますね😊
表現の幅が広がりそうです。
ポップアップカードの制作例
①平行折りしかけで〈花にとまる蝶〉のポップアップカード
2つのパーツを用意して、互い違いに切り込みを入れます。
花にとまる蝶のカードができました。
※今回は、お弁当の仕切りにならって2パーツで作ってみましたが、赤い花が真ん中で割れているのが気になるかもしれません。きれいに安定するよう作るには、3パーツの方がいいかと思います。赤い花はひとつづきにして、蝶のみ「切り込み交差」にして貼り付ける方法です(のりしろを隠すなら、花に穴を開け、そこから蝶ののりしろを差し込んで花の裏側に貼ります)。
②斜め折りしかけで〈鳥〉のポップアップカード
こちらも、2つのパーツに切り込みを入れます。
鳥のカードができました。鳥の首と手前の翼が「はみ出した部分」です。
はみ出し部分は大きいと面白みがありますが、無制限に大きくできるわけではありません。
たたんだとき、台紙中央の折り線を越えないようにします。
以上、お弁当の仕切りから学んで作ってみました。日常の中で使われている技法で、ポップアップカードに使えるものはほかにもありそうですね。