しかけ絵本のアトリエ

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〈初心者のポップアップカードづくり〉平行折りをベースにした横にゆれるしかけ

12月に入り、わが街でも初雪が降りました。いよいよ冬。クリスマスも近づいてきましたね。

クリスマスシーズンは、しかけ絵本やポップアップカードが1年でいちばんたくさんお店に並ぶ時季。あれこれ見るのも楽しく、わくわくします✨

市販のものもいいですが、この記事にたどり着いた方は「自分でポップアップカードを手作りして贈り物に添えたいな」と思ってらっしゃるかも?

ポップアップで動くクリスマスカード《サンタ》と《天使》今回は、簡単なしくみで応用範囲の広いしかけを紹介しようと思います。制作例はクリスマスカードにしてみましたので、参考になればうれしいです😊

しかけの構造と作り方:平行折りベースに、てっぺんをV折りにへこませる

今回使うのは、こんな形のしかけ。

ベースは「平行折り」(↓)ですが、そのてっぺんの山折りの部分をVに折ってへこませています。

ポップアップの基本の2つの形「平行折り」と「V折りVフォールド/ななめ折り とも)」を組み合わせた例のひとつといえます(この場合のV折りはへこむ形)。

※平行折り、V折りについては過去の記事もご参照ください ↓↓

rumi-o.hatenablog.com

 

rumi-o.hatenablog.com

さて、どんな動きになるでしょう?
Vに折ったところ、三角の部分にふせんをつけて動きを確認します。


こんな感じ!
横に弧を描くようにゆれます(この場合は時計回りに90度回転しています)。
この横方向の動きがちょっと新鮮で、比較的簡単なしくみながらも「おっ」と面白さを感じてもらいやすいのではないかと思います。
「横にとびだす」「横に回転する」「左右にゆれる」といった動き、用途は広くていろんなアイディアを載せられそうです。

展開図はこのようになります。

※同じ色の矢印=同じ長さ

部品を折ってから台紙に貼ります。三角の部分は、こんなふうにして一旦折り目をつけてから折ります。

簡単に作りたい場合は、台紙と部品を分けずに1枚の紙に切り込みを入れて下のように折ってもOK。

制作例1:プレゼントをさしだす サンタのポップアップカード

それでは、この構造を使ってポップアップカードを作ってみます。
クリスマスということで、サンタクロースのクリスマスカードにしました。
部品はこんな感じ。

サンタのポップアップカード 作り方
矢印をつけたパーツが今回テーマのしかけ。三角部分にサンタの左腕がついています。

 

手づくりポップアップカード《プレゼントをとりだすサンタ》組み立てるとこのようになります。

上から見るとこんな感じ。


サンタがふくろからプレゼントをとりだします!

「ふくろ」の部品を平行折りの長い面に貼りつけ、しかけの一部をかくすようにしています。プレゼントを持った左腕は、最初はふくろにかくれ、動きながらとびだす感じになります。これで「ふくろからとりだした」動きに見せます。
こうやって、かくれたところからとびだすような動きにするのも、ストーリー性を表現するひとつの方法ですね。

制作例2:両側の羽がひらり 天使のポップアップカード

横に弧を描く動き、左右対称にできないかな?と思った方もいらっしゃるでしょうか。
やってみましょう。
対称形の平行折りをベースにして、左右両方の三角にモチーフをつけます。

この動きは「羽」っぽいかな?と感じて、天使のクリスマスカードにしてみました。

天使のポップアップカード 作り方
全体の構造としては、長さの違う2つの平行折りを重ねるようにとりつけます。
短い方の平行折りを内側に。てっぺんをV折りにへこませて、両方の三角に羽をつけます。
長い方の平行折りは外側に。天使のからだをつけます。

組み立てるとこうなります。手づくりポップアップカード《うたう天使》


天使の左右の羽が弧を描いて広がります。

羽が手前の長い平行折りにぶつからないよう、試作の段階で調整します。

おわりに

いかがでしたか?
構造はむずかしくありませんが、面白さがあって使い勝手もいいしかけです。

制作例は、個人利用の範囲内(お友達へのプレゼントなど)においてはご自由に模倣・アレンジしてくださってOKです。模倣したものをSNS等にあげる場合は、当ブログを参照した旨をひとこと記載してくださいね。