にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃんの日にちなんで
2月22日は「にゃんにゃんにゃん、で猫の日」と聞いたことがありましたが、今年は2022年2月22日…6つも「2」が並ぶ!「スーパー猫の日」とのこと。
6つ「2」が並ぶのは、1222年2月22日(鎌倉時代)以来800年ぶりとのことで、猫好きの間で盛り上がっているようですね😺
せっかくなので、いっしょに盛り上がりたい!ということで、猫のしかけ絵本。
チャック・マーフィー作/きたむらまさお訳
『びっくりはんたいねこあそび』(2011,大日本絵画)。
(画像はすべてamazonへのリンクです)
原書は
Chuck Murphy
”BLACK CAT, WHITE CAT: A Pop-Up Book of Opposites”(1998)。
私は日本語版の方を持っています。
チャック・マーフィーの『びっくり』シリーズ
チャック・マーフィーのびっくりシリーズは、大きめの本屋さんだと結構置いていますので、みかけたことがある方も多いかもしれませんね。
『ねこあそび』のほかに、『びっくりかずあそび(ONE to TEN Pop-Up Surprises! )』『びっくりいろあそび(COLOR SURPRISES)』『びっくりかたちいぬあそび(BOW WOW:A Pop-Up Book of Shapes)』があり、どれもテーマに沿ったものが飛び出したり現れたりする、コンセプトのはっきりしたしかけ絵本です。
このシリーズはロングセラーの「定番しかけ絵本」だと思っていたのですが、原書の方はamazonで見る限り品切れになっているものもありそうですね・・・さみしい。日本語版は今のところ大丈夫そうです。
これらの中から1冊どれを買おうか迷って、私が選んだのはこの『ねこあそび』でした。
単純に絵本としてすぐれている、驚きの大きさやコンセプトのスマートな表現ということでは『かずあそび』や『いろあそび』の方がすばらしいと思うのです。一般的にはそちらがおすすめです。
ただ、『ねこあそび』は何とも捨てがたい魅力があり・・・。そこを、少し語ってみます。
”反対”をあらわす「ねこ」の、ゆるい可笑しさ
「くろねこ」をめくると、とびだしてくる「しろねこ」。
「ひるねこ」のタブを引くと、背景が変わって「よるねこ」。
そんなふうに、反対語をあらわす猫が次々に登場します。
ポップアップ、プルタブ、めくりしかけと、小さい本ながらしかけのバラエティが豊か。さまざまな「ねこ」の姿が楽しめます。
ただ、よくできてるなとは思うものの、しかけそのものはそこまで迫力や目新しさがあるわけではないように感じます。
この本の魅力は、そこはかとなく漂うゆるい可笑しさ。
前述のとおり、私が持っているのは日本語版なのですが、この日本語版が特にじわじわっと可笑しいんです。
そもそもこのシリーズ、原書はわりとスタイリッシュ系だと思うのですが、日本語版はタイトルからして面白系に振っているし、表紙の日本語フォントも派手派手でキッチュな感じ。
↓ 英語版
↓ 日本語版
おしゃれさが失われてる(^^;)
普段の私は原語版のようなスタイリッシュな方を好むのですが、何度も読んだ今となっては、日本語版のキッチュな感じもそれはそれで魅力に感じています。
タイトル訳の「ねこあそび」っていうのがなかなかユニークな表現です。
訳者のきたむらまさおさんは、それはそれはたくさんのしかけ絵本を翻訳されている方ですが、「〇〇あそび」がお好きなのかな?
同じくきたむらさんが訳したDavid Pelhamの”APPLEBEE CAT OPPOSITES”の日本語版も手元にあるのですが、日本語タイトルは『にゃんくろう はんたいあそび』でした。
さて本文ですが、これも日本語版にはちょっとした特徴があります。
例えば原語で「High cat」↔「Low cat」としているところを、「たかいねこ」↔「ひくいねこ」ではなく「たかねこ」↔「ひくねこ」としているところ。「そとねこ」↔「うちねこ」、「とおねこ」↔「ちかねこ」など・・・造語っぽい表現がかわいくて、なんだか印象に残ります。
そもそも日本語では、「ねこ」ってひらがなで書くとそれだけでなんだかほのぼのする気がします。「ねこ」って音の響きも、まさに猫にぴったりの、かわいくてのどかな響き。読むうちに「◯◯ねこ」「◯◯ねこ」・・・と繰り返されるので、どんどんほのぼのしてきます。
さて、この写真の右ページ!
私がこの本を買った決め手でした。
見てピンと来ますでしょうか?
そう、タブを上下に動かすと「はいはいねこ」、左右に動かすと「いやいやねこ」。
・・・しかけというか、手動です!(笑)
なんともばかばかしい・・・このばかばかしさがいとおしい・・・
脱力感がどうも気に入ってしまい、購入に至りました。
また、お楽しみのために詳しくは語りませんが、最後のしかけもなかなか面白いです。「こどもねこ」からの変化!
この本のなんとなーく可笑しくて和んでしまう感じ、説明が難しかったのですが、うまく伝わりましたでしょうか。
絵柄的にはあまり甘さのないタッチで、「かわいい」という感じは少ないのですが、それがまたいい味に思えてきます。
こんな個性的なしかけ絵本で、「猫」の魅力を楽しんでみてはいかがでしょうか。